シニア向けの集合住宅と言っても多種多様な種類や形態があり、呼び方も共同住宅、高齢者下宿、高齢者マンション、高齢者専用住宅その他さまざまで、その概念も統一されたものではありません。
ただ共通しているのは、概ね60歳以上の方を入居対象として、入居者の個室の他に食堂、居間、浴室などの共有スペースがあり、さらに食事や福祉などの付加価値サービスがついている集合住宅、という捉え方が一般的になっています。
私たちは、掲載する物件を下記の3点に集約することにしました。
㈰有料老人ホームとして届け出ている施設
㈪国土交通省が所管しているシルバーハウジング、高齢者専用賃貸住宅、高齢者優良賃貸住宅
㈫その他㈰、㈪への届け出はしていないが、対外的に高齢者向けとしてPRしている賃貸住宅、共同住宅、下宿など
上記の基準に沿って、私たちが把握している範囲での住宅情報を掲載していますが、それぞれ住まいを選ぶ基準もポイントも異なると思いますので、自分にふさわしい物件を選ぶことは容易ではないと思います。
ここでは、それらの住宅の設置場所から経営主体に至るまで、入居の条件や価格の設定、部屋の広さ、その他住まいを選択する10項目について判断材料になるようなポイントを掲げました。
それぞれ入居の目的によって、どの項目を重視するかは異なってくると思いますが、それぞれのポイントを参考にして頂ければ幸いに思います。
NPO法人シーズネット
代表 岩見 太市
10のチェックポイント
- 1. 設置場所
-
住まいが建設されている場所は大きなウエイトを占めることになります。馴染み易い環境なのか、全く未知の場所なのか、地域事情は大切な要件です。
- 家族や友だち、友人との距離感はありませんか?
- 趣味グループなどに入っている方は、交通の便は大丈夫ですか?
- バス停、地下鉄、JRなど公共交通機関には多少身体機能が低下しても歩いて行くことができる距離にありますか?
- かかりつけの病院や提携の医療機関への通院の便はありますか?
- 郵便局や銀行など預貯金の出入金に不便はありませんか?
- 2. 健康状態と入居条件
- 高齢者向けの住まいを探す場合の基本は、要介護で施設の代替としての住まいを探すのか、健康で豊かなシニア人生を探す拠点としての住まいなのか、その目的を明確にすることです。
- その住まいは自立が前提か、要介護の認定が前提か、確認しましたか?
- 保証人(身元・連帯)、要介護認定の有無、火災保険加入の義務づけ、などの条件について確認しましたか?
- 3. 健康状態と入居条件
- 費用の名目とサービス内容は相関関係があります。費用の項目とサービス内容についてキチッと聞いて、確認しておきましょう。
- 一時金が設定されている場合は、協力金、保証金、敷金(退去時の返却方法)など種別を確認しましたか?
- 毎月の費用(家賃、共益費、管理費など)の種類と内容は納得しましたか?
- 冬期間(暖房費)の費用は設定されていますか?
- 各自の部屋の費用(電気、ガス、水道など)はどうなっていますか?
- 4. 部屋の間取りと環境
- これから一番長く過ごす暮らしの拠点として個室=自分の部屋は重要な役割を果たします。
- 所持品を持参して設置しても必要な広さは確保できますか?
- 室内の採光と向きはチェックしましたか?
- 5. 部屋の設備
- 部屋の広さと同時にどのような設備が整っているか、将来の暮らしも見据えて確認することが大切です。
- トイレ、洗面所、収納スペース、キッチン、暖房設備などはチェックしましたか?
- 個室に浴室はありますか? 但し、加齢によって入浴準備や入浴後の掃除などの手間が大変なことがよくあります。
- 6. 食事の選択
-
シニアの住まいのひとつの選択基準に食事の中身、提供方法などがあります。
毎日お世話になる食事は極めて大切な要素です。
- 毎日の提供食数は3食ですか、朝夕の2食ですか?
- 日祝日、正月、お盆などは休みですか、提供されますか?
- 病気になった場合はどの範囲まで提供してもらえますか?
- 食費は月単位ですか、1食単位で設定されていますか?
- 食事をとらなかった場合の食費の扱いを確認しましたか?
- 7. 病気や体調不良時の対応
-
シニア人生では突然の病気や体調不良が大きな不安材料です。そのような状態になった時にどう対応して頂けるのか、医療機関や介護サービス事業者とはどのような連携があるのか、予め調べておくことはとても大切なことです。
- 24時間スタッフが常駐していますか?
- 部屋に緊急通報システムはついていますか?連絡先はどこになっていますか?
- 介護保険外のサービス提供は可能になっていますか?
- 8. 終の住まいとの関係
- シニアの住まいの選択はどの段階まで住み続けることが可能なのかが、最大のポイントになります。要介護状態になった場合、どこまで住めるのか、具体的に確認しておくことが将来の安心につながります。
- 要介護のどの単位まで住み続けられるか、確認しましたか?
- 認知症になった場合の対応を確認しましたか?
- 最期の看取りまでしてもらえるか、確認しましたか?
- 9.入居者同士のコミュニケーションと地域との結びつき
- これからのシニアの住まいは独立して存在するのではなく、その地域の社資源の一つとして位置づけることが大切になります。入居者同士、入居者と町内会など地域との連携についても調べておきましょう。
- 住まいとして、町内会に加入していますか?
- 地域の人々との交流はありますか?
- さまざまなイベントや季節ごとの行事などが設定されていて入居者同士のコミュニケーションの場も設けられていますか?
- 10. 経営者と運営母体
- 最近のシニア向け住宅は運営者と建物所有者が別々だったり、窓口が仲介業
者だったり、多様な形態になっています。何れも民間事業者で倒産もあり得
ますので、経営者やその企業状態を把握しておくことは必要不可欠な要素で
す。
- シニアの住まいの運営には福祉的なポリシーが大切になります。信頼に足る経営者(管理者)と面談する機会はありましたか?
- 経営理念、住まいへの想い、考え方などはしっかりしていますか?
- スタッフの対応は良かったですか?



